天王寺書房

本と本の間で感じた言葉について

新しい意味で埋めてくれ!

 我々の想像力から生まれてくるものに、意味や生産性をあたえること。それは、案外、どうすれば、いいんでしょうね…

 

 自由俳句に、少し興味が出てきて、以下の本を読んでみました。

  つい、五七五のリズムで読もうとしてしまうため、始めは慣れませんでしたが、そのうち、心の動きを細かく拾おうとするような言葉の数々に、親近感を覚えてきました。

 自分の思いが暴走して、大量に吐き出される、言葉の断片。ここに書かれている、自由俳句には、自分の吐き出した言葉に埋もれつつも、そこに意味を探さずにはいられない。どうしても心が勝手に動いて…言葉を吐き出し、求め続ける、自動機械のイメージが浮かんできました。

 

  で、また、全く違う分野の以下の本。 世界、特にアメリカと中国の動きを、インテリジェンスの面から分析した、対談本。

米中衝突-危機の日米同盟と朝鮮半島 (中公新書ラクレ)

米中衝突-危機の日米同盟と朝鮮半島 (中公新書ラクレ)

 

  このお二人の書籍は、なんだか年末恒例のお話しのような気がして、読まずにはいられませんw。

 細かな状況分析は、さすがの一言なのですが、つまるところ、アメリカの威信が失速し、実はアメリカにも場当たり的な世界戦略シナリオしかないのではないか…その結果、人は見たい情報しか見なくなり、信用の負のスパイラルが発生してしまう。

 そんな、意味の崩壊の構造が、今の個人を支えている土台の状況かもしれません。

 

 「意味を埋めてくれ!」という叫びのような、つぶやきが聞こえてきそうな、社会になってきた感じがします。

 そこで、大胆にも提言!そのための方法は、基本的に3つ。

  1. 自然に受け入れられていると感じること
  2. ほんの少しでも社会的につながっていること
  3. 特定の個人に理解されたいと思うこと

この3つの組み合わせのバリエーションを細かく増やせば、楽しく暮らせないかなw。

 

 

力が発揮できるつながり

 機能は形状に含まれる…人間の骨格はそうかもれませんが、見えない人と人とのつながりを考えると、「言葉」だったりするのかもしれません。

 

 ディスクワークなので、肩や背中周りが、いつもガチガチです。

 そんなわけで、肩甲骨まわりのメンテナンスのために、以下の本を読んでみました。

肩甲骨が立てば、パフォーマンスは上がる!

肩甲骨が立てば、パフォーマンスは上がる!

 

  筋肉を緩めて体を自由に動かすこと、重力までイメージして体の動きをコントロールすることなどが語られていて、かなり興味深い内容でした。

 ちなみに、肩甲骨の形状から考えて、腕の力が一番発揮できるラインというものがあるそうです。

 ゼロポジションとは、肩甲骨の裏側にある尾根のような部分=肩甲棘と言いますが、その部分が腕の上腕骨と一直線になったポジションのことです。

 この肩甲棘のラインに注目して、肩甲棘と上腕骨が一直線になるポジションを見ると、もっとも関節面の向きが正しい位置になります。(中略)肩甲骨の力を最大化するために存在している肩甲棘と上腕骨が一直線になるラインには特別な意味があるとされ、関節面の角度が0°になっていることから、ゼロポジションと呼ばれているのです。

 

 さて、全く分野が違う話しですが、「日本仕事百貨」という求人サイトを運営している方の書籍。 

 この本の内容、「日本仕事百貨」のウェブサイトには、いろんな「生きることと働くことが連続していて生きるように働いている人」が紹介されています。 

 

生きるように働く

生きるように働く

 

 ずっといい場所を作ろうと、建築を勉強したり、不動産の仕事をしたりしてきた。でもいい場所って、人なんだ。ついつい通ってしまう場所には、そこにぴったりな人たちがいる。ぴったりだから、そこにいる人たちも生き生きとしている。生き生きとしている人たちがいる場所はいい場所になる。

  会社や組織でも、人が人間として力が発揮できる「カタチ」ってのがあるのかもしれませんね。そのような視点で会社と人をつなげていくことを、この本では、木の成長に例えています。

 人と人とが力を発揮できる形で結びつく。それが何か「カタチ」に見えるといいですね。

私はこの道を歩んでいこうと思う…

 偶然読んだ2種類のお話し。でも、どこか似たような感じを受けるのだけど、何だろう…

 2019年の初読みということで、『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと/花田菜々子』と『少女終末旅行/つくみず』を読みました。

 タイトル自体は、ややショッキングな感じですね。内容も、確かに、この通りなのですが、何かを確かめるように行動していく、著者の姿が頼もしく、気持ちが前向きになれる本です。
 

 ここにいる人は、みんな「どこか行く途中」の人だ。たとえば仕事に満足していて、家庭や恋愛もいい状態が保たれていて、このままでいたい、満たされている、という人はここでは出会わない。仕事をやめたばかりだったり、起業や転職という人生の転機を迎えようとしていたり、今の自分の状況に違和感があって何かを変えなければと思っていたり。

 みんなが不安定さを礼儀正しく交換し、少しだけ無防備になって寄り添ってるみたいな集まりだった。

 と思ったけど、もしかしたら世界全体もほとんどそうだったりして?

 

少女終末旅行 コミック 全6巻

少女終末旅行 コミック 全6巻

 

  人間の社会が終わろうとしている終末世界を、少女二人がケッテンクラートに乗って旅する物語です。

 二人の、のほほんとしたキャラクターと、テクノロジーをどこか否定していない感じが好きな作品です。 

社会の利害とは無関係な場所にいる、という点で旅人と神は似ています

 

 彼女たちが途中で出会う、人、モノ、コトは、何を伝えているのでしょうか。また、このストーリーの中では、「書物」自体にも重要な意味がありそうです。

 …人生が旅のようなものだとすると、私たちはどこに向かっているのでしょうか?時々、そんなことをフト考えてしまいますが…

 光の感じる方に歩いていけば、いいんじゃないかな。と、なにやら動物的な感覚さえ感じるアドバイスを、いただいているような読後感でした。