天王寺書房

本と本の間で感じた言葉について

私はこの道を歩んでいこうと思う…

 偶然読んだ2種類のお話し。でも、どこか似たような感じを受けるのだけど、何だろう…

 2019年の初読みということで、『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと/花田菜々子』と『少女終末旅行/つくみず』を読みました。

 タイトル自体は、ややショッキングな感じですね。内容も、確かに、この通りなのですが、何かを確かめるように行動していく、著者の姿が頼もしく、気持ちが前向きになれる本です。
 

 ここにいる人は、みんな「どこか行く途中」の人だ。たとえば仕事に満足していて、家庭や恋愛もいい状態が保たれていて、このままでいたい、満たされている、という人はここでは出会わない。仕事をやめたばかりだったり、起業や転職という人生の転機を迎えようとしていたり、今の自分の状況に違和感があって何かを変えなければと思っていたり。

 みんなが不安定さを礼儀正しく交換し、少しだけ無防備になって寄り添ってるみたいな集まりだった。

 と思ったけど、もしかしたら世界全体もほとんどそうだったりして?

 

少女終末旅行 コミック 全6巻

少女終末旅行 コミック 全6巻

 

  人間の社会が終わろうとしている終末世界を、少女二人がケッテンクラートに乗って旅する物語です。

 二人の、のほほんとしたキャラクターと、テクノロジーをどこか否定していない感じが好きな作品です。 

社会の利害とは無関係な場所にいる、という点で旅人と神は似ています

 

 彼女たちが途中で出会う、人、モノ、コトは、何を伝えているのでしょうか。また、このストーリーの中では、「書物」自体にも重要な意味がありそうです。

 …人生が旅のようなものだとすると、私たちはどこに向かっているのでしょうか?時々、そんなことをフト考えてしまいますが…

 光の感じる方に歩いていけば、いいんじゃないかな。と、なにやら動物的な感覚さえ感じるアドバイスを、いただいているような読後感でした。